医薬分業について


医師の診察を受けた後に、病院、診療所でお薬のかわりに処方せんが渡されます。これが「医薬分業」です。処方せんにはお薬の名前や種類、量、使い方が書かれています。この処方せんを街の保険薬局にもっていくと、薬剤師が薬の量や飲み合わせ等を確認の上、調剤します。患者さんには、処方せんと引き換えにお薬が渡されます。医療の高度化とともに機能分化が進み、現在の医療には様々な専門分野があります。それぞれの専門家がチームワークを組み、協力し合うことでよりよい医療の提供が図られています。医薬分業も、医師と薬剤師が協力してお薬をより安全に使っていただくための制度です。

●医薬分業Q&A

Q1 処方せんって何ですか?

Q2 お医者さんはどうして処方せんをくれるのですか?

Q3 どこのお医者さんでも、処方せんを出してもらえますか?

Q4 「くすり屋さん」なら、どこでも処方せんで調剤してもらえますか?

Q5 薬局では処方せんに書いてある通りのお薬を調剤してもらえますか?

Q6 お薬だけほしい場合はお医者さんに行かなくても、薬局で調剤できますか?

Q7 処方せんがなくても、以前に調剤してもらったお薬をもらえますか?

Q8 薬局ではいつでも調剤してくれるのですか?

Q9 お医者さんで出るお薬よりも料金が高いのはなぜですか?

Q10 病院や医院でかかった医療費は医療費控除の対象になりますが、薬局で調剤してもらった分はどうなりますか?

Q11 処方せんを代理の者が持って行っても調剤してもらいますか?

Q12 薬局では、処方せんに書かれたお薬について説明してくれますか?

Q13 処方せんをもらうと薬局に行く手間が増え面倒ですね。

Q14 医薬分業が行われると、どんな利点がありますか?

Q15 家で寝たきり療養中の祖父がいます。薬局の薬剤師が自宅に来てお薬の説明や服薬方法、介護用品の使い方などをアドバイスすると聞いたのですが。

Q16 処方せんを薬局に持っていくと、調剤の前にいろいろ聞かれますが、なぜですか?

Q17 処方せんを薬局に持っていくと、処方せんだけでなくカルテのようなものやコンピューターの画面を見ながら調剤していることがありますが、なぜですか?

Q18 調剤のあとで、お薬の名前や効能・効果を書いた紙を渡されることがありますが、なぜですか?

Q19 薬局へファックスで処方せんを送ることが出来ると聞きましたが。

Q20 病院や医院で処方せんを受け取ると、そこの○○薬局でお薬をもらって!と言われました。必ずそこで調剤してもらわなければならないのですか?

Q21 基準薬局って何ですか?

Q22 お薬を誤ってゴミと一緒に廃棄・紛失してしまいました。どうすればいいですか?


Q1 処方せんって何ですか?

A1
あなたが病気にかかって、お医者さんに行くと、まずあなたを診察します。次に、必要ならいろいろな検査をします。
その結果、治療上薬が必要となると、使う薬を選び、その量を決め、使い方を決めます。これを記入したものが処方せんです。
処方せんをもらったら保険薬局にもって行き、調剤してもらって下さい。

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Q2 お医者さんはどうして処方せんをくれるのですか?

A2
お医者さんは処方せんを出すことにより、お薬の保管や管理等の業務を、お薬の専門家である薬剤師にまかせることで、
一層診療に専念することができます。
その結果、患者さんはに手が回るようになり、あなたはより充実した医療を受けられるようになります。
また、お医者さんが自由にお薬を処方できるため、患者さんに処方するお薬の幅が広がります。

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Q3 どこのお医者さんでも、処方せんを出してもらえますか?

A3
はい、どこの病院、医院でももらえます。
全面的に処方せんを出していない病院・医院でも患者さんが希望があれば、出してもらえます。
お医者さんから「院内でお薬をもらってくれないか?」と言われることがあっても、希望すれば出してもらえます。

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Q4 「くすり屋さん」なら、どこでも処方せんで調剤してもらえますか?

A4
お薬を扱う店には「薬局」と「薬店」がありますが、「薬局」であればどこでも処方せんにより調剤できます。
店内に「調剤室」があり。薬剤師が必ずいるところが薬局です。
また「保険薬局」、「保険調剤」、「処方せん受付」などの表示があるところは必ず薬局ですので、どこでも調剤できます。

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Q5 薬局では処方せんに書いてある通りのお薬を調剤してもらえますか?

A5
はい、もちろんです。処方せんの通り正確に調剤します。

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Q6 お薬だけほしい場合はお医者さんに行かなくても、薬局で調剤できますか?

A6
いいえ、それはできません。薬剤師は、お医者さんの診断の結果、症状に応じて出された処方せんにもとづき調剤しますので、
その都度、受診しなければなりません。

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Q7 処方せんがなくても、以前に調剤してもらったお薬をもらえますか?

A7
いいえ。処方せんは、そこに書かれた数量だけしか調剤できません。その都度、診察を受けて処方せんをもらってください。

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Q8 薬局ではいつでも調剤してくれるのですか?

A8
はい。処方せんの交付日を含め4日以内なら、いつでも調剤できます。
注意:処方せんには有効期間があり、通常(特に医師の指示がない限り)処方せんの交付日を含めて4日以内ですのでご注意ください。
例:2月1日に交付された処方せんの有効期間は2月4日です。

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Q9 お医者さんで出るお薬よりも料金が高いのはなぜですか?

A9
処方せんにより薬局でお薬を受け取る場合、病院から直接お薬をもらうよりも患者さんの負担は若干高くなります。
これは、薬局では患者さんのお薬の使用歴(薬歴)を記録したり、丁寧な服薬指導を行うことによるものです。
なお、病院と同じように、薬局でも老人保険、乳児医療、労災保険等が適用になります。

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Q10 病院や医院でかかった医療費は医療費控除の対象になりますが、薬局で調剤してもらった分はどうなりますか?

A10
病院や医院に支払った医療費と同じく、薬局で調剤してもらい支払った分も医療費控除の対象になります。
薬局では、調剤の際患者負担金がある場合は領収書をお渡ししていますので、大切に保管しておいてください。

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Q11 処方せんを代理の者が持って言っても調剤してもらえますか?  

A11
処方せんがあれば、ご本人でなくてもかまいません。患者さんはお宅でお休みになり、ご家族などが処方せんをお持ちになっても、調剤いたします。

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Q12 薬局では、処方せんに書かれたお薬について説明してくれますか?

A12
はい。お薬を安心して使っていただくために、使用方法や保管方法など説明は十分にいたします。
いつものお薬だからと手を抜くことはありません。面倒でも説明を受けてください。説明の半聞きは重大な事故や間違いを起こすことがあります。
また、薬について疑問がありましたらお気軽に薬剤師にお問い合わせください。

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Q13 処方せんをもらうと薬局に行く手間が増え面倒ですね。

A13
手間が増えることは事実です。もし、他に用事があって忙しい場合には、処方せんを薬局に預けておき、都合のよいときに薬をもらいに行くこともできます。

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Q14 医薬分業が行われると、どんな利点がありますか?

A14
医薬分業を実施することの利点としては主として次のことがあげられます。
    1.薬の専門家である薬剤師が医薬品を管理、試験をすることでその安全性及び有効性一層の確保が期待できること。
    2.医師と薬剤師との間で相互チェックが行われることにより配合禁忌や誤薬などの事故が防止できること。
    3.医薬品の効能効果、副作用などに関する情報交換を通じてより安全性の高い投薬が期待できること。
    4.医療機関においても、医師・歯科医師が診断、治療に専念することができ医療がより充実することが期待されること。

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Q15 家で寝たきり療養中の祖父がいます。薬局の薬剤師が自宅に来てお薬の説明や服薬方法、
介護用品の使い方などをアドバイスすると聞いたのですが。

A15
はい。 処方せんによるお医者さんからの指示・要請で、薬局の薬剤師が患者さんのお宅へ伺い、
お薬をお渡しします。また、必要なアドバイスを行ったり、お薬に関するご相談に応じます。
このことを「在宅医療」といいます。
「在宅医療」を受けたい場合は、お医者さんにご相談の上、お薬を受け取る薬局をお決めください。

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Q16 処方せんを薬局に持っていくと、調剤の前にいろいろ聞かれますが、なぜですか?

A16
お薬を安全に使用していただくために、薬剤師は処方せんを受け付けると、まず患者さんから必要なことをお聞きします。
例えば、処方されたお薬と同じ成分の薬で過去に副作用やアレルギーが起こったことはなかったか、
他にお薬を服用しているかなど、心配が無いことを確認して調剤します。
なお、一度お聞きしたことは薬局で記録(これを「薬歴」といいます)しておき、次回の調剤に役立てています。

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Q17 処方せんを薬局に持っていくと、処方せんだけでなくカルテのようなものやコンピューターの画面を見ながら
調剤していることがありますが、なぜですか?

A17
お医者さんが患者さんの診断治療のためにカルテを役立てているように、薬局では患者さんの体質や薬のアレルギー歴、
どんな薬をいつごろ使用したか、患者さんへの指導内容などを記録し、その記録(薬歴簿)と処方せんを照らし合わせたり、
患者さんに質問して安全かつ有効に使用できるよう点検した上で調剤しています。

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Q18 調剤のあとで、お薬の名前や効能・効果を書いた紙を渡されることがありますが、なぜですか?

A18
薬剤師は、処方されたお薬について説明することが義務づけられています。
お薬の名前、形や色、用法・用量、効能・効果、副作用のほか、食事、飲物を取る上での注意、
保管や服用上特に留意すべき事項などをくわしくご説明します。
また、必要があればそれをメモにして患者さんにお渡しします。あなたがお薬を使う上で大切なお知らせが書かれています。
服用まえには必ずお読み下さい。

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Q19 薬局へファックスで処方せんを送ることが出来ると聞きましたが。 

A19
処方せんをファックスで送っておくと、実物の処方せんを薬局に持って行けばすぐにお薬を受け取ることができます。

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Q20 病院や医院で処方せんを受け取ると、そこの○○薬局でお薬をもらって!っと言われました。必ずそこで調剤してもらわなければならないのですか?

A20
いいえ。そんなことはありません。
病院や医院が患者さんに対して、特定の薬局でお薬を受け取るよう指示すること(薬局への誘導)は法律で禁止されています。
患者さんの当然の権利として患者さんご自身で調剤してもらう薬局を選べますので、
病院や医院の指示で特定の薬局で調剤のお薬を受け取る必要はありません。
処方せんは、患者さんご自身の「かかりつけ薬局」へお持ちください。

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Q21 基準薬局ってなんですか?

A21
「基準薬局」とは、一定の基準を満たした薬局を、薬剤師会が認定したものです。
もちろん基準薬局でなくても処方せん調剤を行うことができますが、「基準薬局」をあなたの「かかりつけ薬局」選びの一つの目安としてください。

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Q22 お薬を誤ってゴミと一緒に廃棄・紛失してしまいました。どうすればいいですか?

A22
お薬を誤って廃棄や紛失してしまった場合は、調剤をした薬局に連絡して薬剤師の指示に従うか、
処方せんを発行した医療機関の医師に連絡し、廃棄や紛失による不足分のお薬の処方せんを発行してもらう必要があります。
廃棄や紛失したことにより服用すべきお薬を飲まなかったりするのはおやめください。

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